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歯周病治療

歯周病とは

「歯がグラグラする」
「歯ぐきが2,3日前から急に腫れて痛くなってきた」
「歯ブラシをしたときに歯ぐきから血が出る」
「歯がグラグラして、前歯に隙間が空いてしまった」
「口臭がある」

このようにおっしゃる方が沢山いらっしゃいます。このような主張で来院された方の大半が歯周病です。歯周病は一般にはあまり知られていないですが、非常に恐ろしい病気なのです。この恐ろしい歯周病は誰にでも忍び寄る可能性のある魔の手であり、その歯周病からいかに抜け出すかというのは非常に重要なことなのです。

 

歯周病は「泥棒」

歯周病は「泥棒」みたいなもんです。 近年、泥棒は多発しており、本当にどこの家に入っても何の不思議もありません。私の親戚も家の駐車場に停めておいた4WDの車が朝になったらなくなってい たという話を聞いたことがあります。それも、1回空き巣に入られたので、引っ越した先で、また入られてしまったのです 私の友人は「泥棒が入っても、警察は一応は調べるけど『やられちゃいましたかー。もう、どうしようもないですねー』とか言ってんだよ!捕まえろっちゅう の!」と怒っていました。 歯周病もこれと同じなのです。歯周病になってしまったら、もう完全に治すことは不可能なのです。泥棒に入られてしまったら、泥棒を捕まえて、捕られたもの を取り返すのが不可能に近いのと同じです。 できることは、壊された窓ガラスを直して、家の中を片付けて、これ以上、泥棒に入られないようにすることしかないのです。つまり歯周病においては、これ以 上、進行しないようにいかにしていくかということが全てなのです。

 

年齢と歯周病

年を取ったら歯は悪くなって当たり前?

歯周病治療のお話をする前に、先ず、今の日本の現状をお話させてください。

「年をと取ったら歯は悪くなって当たり前だ」と思ってらっしゃる方が沢山いらっしゃいます。悲しいことに、今の日本の現状ではそのとおりです。現在、80歳の方の平均残存歯数はたったの6.8本(厚生省調べ)しかありません。

通常、人間のお口の中には26本の歯がありますから約4分の1しか残っていないのです。アメリカであれば85歳のときに平均15.8本、スウェーデンであれば75歳で平均19.5本の平均残存歯数となっています。(サンスター調べ)

なぜこんなに大きな差がついてしまったのでしょうか?それは、日本の保険制度に問題があるからです。日本の保険制度では「悪いところを削ってつめる」ことしか保険として認められていなかったのです。ですから、日本人の頭の中に「歯医者は歯が痛くなったら行くところだ」という意識がついてしまったのです。

そして、歯医者自体も、削ってつめる治療ばかりを行い「どうしたら悪くならないように予防できるか」ということを考えてもこなかったし、患者様に伝えてもこなかったのです。これが欧米諸国との間に大きな差が付いてしまった最大の原因です。

これにより、虫歯になる人も、歯周病になる人も減少することはなかったのです。 スウェーデンでは75歳の平均で約20本も歯が残っているのです。歯は残せないのではなく、単に歯を残していないだけなのです。我々も、きちんとしたことを行えば、十分歯は残せるのです。

 

どうしたら歯を残せるの?

では、どうしたら歯を残せるのでしょうか?

欧米諸国はどのようにして、歯を残しているのでしょうか? その答えが1~3ヶ月に1回、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることなのです。

欧米では治療ではなく、このメンテナンスに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上したのです。 日本でも、熊谷崇先生の調査によると、メンテナンスをしっかり受けた方と受けなかった方とでは80歳になったときに約9本も差がついているのです。

皆さんは、80歳になったときに、何本歯を残していたいですか?

 

虫歯が全てではありません!!

多くの方は虫歯が原因で歯が抜けてしまうと思っています。

しかし、現実はそうではありません。46~55歳の方で、歯が抜ける原因の約半分が歯周病なのです。皆さん、

歯周病ってどんな病気だかご存知ですか?そもそも歯というのは何によって支えられているでしょうか?多くの方は「歯ぐき」と答えます。

正解は、歯は歯槽骨(しそうこつ)という骨によって支えられているのです。この歯槽骨が溶けてしまう病気が歯周病なのです。歯を支えている骨がなくなってしまうと、歯は支えを失って溶けてしまうのです。

この溶けてしまった歯槽骨は元に戻るでしょうか?これは元には戻りません!!(再生療 法以外では)歯の表 面であれば、悪いところを削ってつめて、かぶせ物をすることで補うことが出来ますが、歯ぐきの下にある歯槽骨を削ってつめることは出来ないのです。という ことは、歯周病は進行を食い止めることは出来るのですが、治すことは出来ないのです。しかも!恐ろしいことに歯周病は痛みがなく進行します。

歯周病は痛みなく進行する

皆さん、虫歯になれば痛くなりますよね?

だから「痛くなったら歯医者に行くものだ」と思う方が多いわけで、痛みがなく進行する歯周病になると、「歯の表面は虫歯じゃないんだけど、歯ぐきの下で歯周病が進行し、虫歯になって久しぶりに歯医者に行ってみたら歯周病が進行していた」ということが多いのです。しかし、本人は自覚がありません

ですから、「○○さん、虫歯の治療の前に歯石を取るようにしましょう」と申し上げても、なかなか理解をしていただけないことがよくあります。 自覚症状がない歯周病を予防していくためにも、1~3ヶ月に1度の定期的なメンテナンスが欠かせないのです。

いや~、別に俺には関係ないよ」 とおっしゃる方も多いのですが、そんなことはありません。現在、日本の成人の約80%が上記の歯周病の何らかの段階に入ると言われています。ちなみに、歯周病が進行してしまうと、インプラントでの歯を復活させるということも難しくなります。

歯周病の原因はプラーク!!(歯垢)

歯周病の直接の原因はプラーク(歯垢)です。もっと正確に言うとプラークの中にいる細菌が原因なのです。

プラークは歯の表面にたまった白いネバネバしたものの事です。食べカスのように見えますが実際はお口の中にいる細菌がたまってできた巣のようなものです。そしてプラークが固まったものが歯石です!!

お口の中には何百種類もの細菌がいるのですが最近では歯周病を引き起こす何種類かの細菌(アクチノバチラス・アクチノミセテム・コミタンス菌やプロフィロモナス・ジンジバリス菌など)がわかっています。

歯ブラシのしにくい歯と歯ぐきの間にたまってしまったプラークの中にいる細菌が歯肉の中に入り込もうとすると、体の防御反応が起こり、その結果として歯内に炎症(腫れ)が起こったり、歯槽骨が破壊(溶け出したり)されたりということが起こります。

また、歯周病菌が出す毒素も歯槽骨の破壊を引き起こします。歯肉が腫れたり、歯槽骨が破壊されると、歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、歯周ポケットを作ります。そしてこの溝の深いところにまでプラークが進入して、歯の表面にたまり歯石になるのです。ですから歯周病の治療には、

1)歯石を取ることが治療の基本!

2)歯ブラシがとても大切!

です。

 

歯石を取ることが基本です!

歯周病の治療は1にも2にも、歯に付いた歯石を除去することです。歯石というのは表面がザラザラしています。一方、自分の歯は表面がツルツルです。

どちらが汚れがたくさん付くでしょうか? 当たり前ですが、歯石が付いているほうが汚れ(細菌)が付きやすくなります。

汚れが付きやすいと、歯周病が進行してしまいます。先ほども申し上げたように、歯周病は進行を食い止めることが全てです。

そのためにはこの汚れを付きやすくさせる原因である歯石を取り除かなければならないのです。

歯ブラシもとっても大切!

次に大切なのは、ご自分のブラッシング、歯磨きです。

「なんだよ、歯ブラシかよ!そんなのは俺でもやってるよ」と思われるかもしれません。 たかが歯ブラシ、されど歯ブラシなのです。

歯ブラシは誰でも出来ます。しかし、正しい歯ブラシができている方はほとんどいません。正しくない歯ブラシはキレイにできていないお掃除と同じです。

いつも掃除はしているんだけど、いつもキレイになっていないところがある。そういう場所はどうなってしまうでしょうか?

1年、2年、3年、10年、20年、キレイにできずに毎日少しずつですが、汚れが蓄積していったらどうなるでしょうか?

もしそれが台所周りだったらどうですか?これ、エライ事になりますよね?お口の中では、そんなエラ イことが歯ブラシ1つのせいで起こっているんです!

 

フォームで結果が変わる!

正しい歯ブラシの仕方、それはつまり正しい歯ブラシの型・フォームです。

野球でも何でも、スポーツはそうですが、全ては型・フォームから始まりますよね?

フォームが悪ければどれだけ一生懸命やってもよい結果は出ません。それと同じように、悪いフォームの歯ブラシをいつまで続けていても良い結果、つまり、歯周病の進行を食い止めるという結果は訪れないのです。

歯ブラシの仕方を変えるなんて、簡単だろ!」そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これがそんな簡単なことではないのです。

ゴルフでも、野球でも、1度付いた悪い癖を修正するのは思ったより大変なことなのです。だからこそ、プロ野球選手もフォームの改造を苦労して成し遂げますし、ゴルフにいたっては正しいフォームを身につけることをアドバイスするレッスンプロまでいるのです。

しかし、歯ブラシのレッスンプロというのは聞いたことがありません。それは、それだけ歯ブラシに対する価値観が低いからだと思います。しかし、正しい歯ブラシのフォームには100万円以上の価値があると私は真剣に思っています。正しい歯ブラシのフォームが身についていれば、悪いフォームで磨くよりも少なくとも3本の自分の歯を残すことができるでしょう。

失ってしまった歯1本の価値はお金で換算すれば、現在、失った歯を取り戻すための人工歯根インプラントが1本30万円程度ですので、90万円です。自分の歯のほうがずっといいですから、少なく見積もっても正しい歯ブラシはやはり、100万円以上の価値があると思います。

 

歯周病は生活習慣病

最後に歯周病でもう1つ大切なことがあります。それは、歯周病は「生活習慣病」ということです!!生活習慣病って? ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、昔は成人病と呼ばれていました。食習慣や喫煙など、毎日の不適切な生活習慣の積み重ねによって起こってくる病気です。糖尿病、高血圧、肥満症、ある種のガンなどは良く知られていますが、実は歯周病も生活習慣病なのです。特に喫煙による影響は非常に大きな危険分子となります。ですから歯周病の予防、治療にはプラークを除去することと同じくらい生活習慣を改善することも大切なのです。

 

歯周病治療の流れ

1. 歯周ポケット診査、レントゲン撮影、口腔内写真撮影

歯周ポケット診査、レントゲン撮影、口腔内写真撮影を行います。
歯周病の原因は1人1人異なりますので、治療していく前に検査を行い、1人1人に適した治療を行っていきます。

2. プラークを除去

歯周病の原因は歯垢(プラーク)なので、プラークを除去し付きにくくすることが治療の基本となります。歯科衛生士による歯みがき指導や歯間ブラシ、デンタルフロスなどで改善をはかります。
簡単に落とせる歯石やプラークを落していき、検査にて改善を確認します。軽度の歯周炎の方はここまでで治療が完了します。

3. 歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢(プラーク)除去

中等度~重度の歯周炎の場合、歯石が深くまであるため取りきれません。
このような場合は外科的な治療が必要となります。
麻酔をしてから歯肉の切開をし、歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢(プラーク)除去します。

4. 歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢(プラーク)除去

口の中の細菌を完全になくすことは難しく、歯周病は再発し易いので、治療完了後も定期的なメンテナンスが必要となります。
再発防止には患者さん自身による歯垢(プラーク)のコントロールだけでなく、定期的に歯科医師や歯科衛生士による検診や治療を受け、歯をメンテナンスすることが重要です。